
親が亡くなって、実家は兄弟の共有になった。自分は手放したいが、兄は残したいと言う。弟とは何年も連絡を取っていない。
共有の家は、やることの重さによって、必要な同意の数が変わります(民法251条・252条)。
| やること | 必要な同意 | 例 |
|---|---|---|
| 形や使い道を大きく変える | 全員 | 家を壊す、家全体を売る |
| 管理する | 持分の過半数 | 短い期間だけ貸す(建物は3年まで) |
| いまの状態を保つ | 1人でできる | 雨もりの修理など |
「過半数」は人数ではなく、持分の大きさで数えます。
壊す・売るは、1人でも反対すれば進みません。雨もりの修理のように、いまの状態を保つためのことは、1人で決められます。
自分の持分を売ることは、ほかの共有者の同意がなくてもできます(民法206条)。
ただし、家の一部の権利だけを買う人は限られます。買った人が、新しい共有者として、残った兄弟と向き合うことにもなります。兄弟に買い取ってもらえないかを、先に話すのが順番です。
令和5年4月1日から、連絡が取れない共有者がいるときのための、裁判所の手続ができました(法務省)。
相続で共有になった持分は、相続が始まってから10年たたないと、この手続を使えません。親が亡くなって10年たっていない場合は、まず相続人どうしの話し合い(遺産の分割)になります。
共有者は、いつでも、共有をやめるよう求めることができます(民法256条)。話し合いがつかなければ、裁判所に求めます(同258条)。
裁判所が命じる分け方は、現物を分ける、1人が持分を引き取ってお金を払う、のどちらかです。それができないときや、分けると値打ちが大きく下がるときは、競売になります。
自分の場合にどの手続が使えるかは、司法書士・弁護士の仕事です。このサイトでは、個別の判断はしていません。